髭はなぜ生える?理由と役割・髭が生える意味をわかりやすく解説
思春期を過ぎると男性には太くて濃い髭が生えてきます。みなさんは男性特有の体毛である髭がなぜ生えるのか、その理由をご存知でしょうか?ここではその理由やメカニズム、役割を解説するとともに、そもそも髭が本当に必要かどうかを検証していきます。
目次
髭はなぜ生えるのか?髭にまつわる疑問を解決
毎朝髭を剃って家を出る方もいれば、髭を伸ばしておしゃれを楽しむ方もいます。ムダ毛としても、おしゃれのひとつとしても捉えられることのある髭ですが、髭が生えるそもそもの理由をご存知の方は少ないのではないでしょうか。
この記事では髭の伸びるメカニズムや髭の生える理由、また髭の担う役割を解説します。男性の髭が女性にどのような印象を与えているかなども紹介していますので、それも踏まえて自分にとって髭が本当に必要かどうか検証していきましょう。
髭はなぜ生える?メカニズムを紹介
そもそも髭はなぜ生えるのでしょうか?ここではそのメカニズムをご紹介いたします。
男性ホルモンが関係している
髭が生えることには男性ホルモンが深く関係しています。まずは男性ホルモンがどのようなものであるかを知りましょう。
男性ホルモンとは
男性ホルモンとは「男性をより男性らしくする作用を持つホルモン」のこと。男性は思春期になると、筋肉や骨格が発達し、声変わりをし、髭を含めた体毛が生えてきます。これらの「男性らしさ」は全て、思春期に男性ホルモンが急激に分泌されるために現れます。
男性ホルモンは男性だけでなく、女性にも分泌されていますが、男性ほどの量は分泌されません。そのため女性の髭はほとんどの場合、産毛程度です。また女性ホルモンにも同じことが言え、男性は女性ほど女性ホルモンが分泌されることは、まずありません。
男性ホルモンが上昇する要因
日常生活を送る中で、ホルモンバランスが崩れ、男性ホルモンが女性ホルモンよりも圧倒的に優位になると、髭は早く伸び、濃くなっていきます。男性ホルモンが上昇する要因はこちらです。
- 食生活の乱れ
- 過剰な筋トレ
- 飲酒喫煙
- ストレス
- 夜更かしや寝不足
上に挙げた事柄はすべて男性ホルモンの過剰分泌に直結します。
産毛が濃くなって目立つようになった
「男性ホルモンによって髭が生えてくる」という言い方をしていますが、厳密には、「髭が生えてくる」、というよりも、ホルモンバランスの乱れにより、男性ホルモンが上昇し、それまで産毛だった髭が、「濃くなり、目立つようになる」という方が正解です。
女性の髭が目立たない理由は?
男性ホルモンが少ない
女性の髭が目立たないのは、男性ホルモンよりも女性ホルモンが優位であるため。やはり髭は男性ホルモンが深く関係しているのです。逆に言うと、女性でも男性ホルモンが圧倒的に優位になると、髭は濃く、目立つようになります。
髭が伸びやすい時間帯は朝方
1日のうちで髭が最も伸びるのは、起床直前から起床後2〜3時間後までの午前6時〜午前10時と言われており、この時間帯以外はあまり伸びません.
伸びやすい季節は秋
髭の伸び方は季節によっても違います。髭が1番伸びるのは秋で、9月ごろです。9月をピークにそこから髭の伸びるペースは遅くなり、1番伸びるのが遅くなるのが2月。そこから9月に向けて、また徐々にペースを上げていく、といった傾向があります。
髭はなぜ生える?理由を解説
そもそも体毛の役割は下記の4つです。
- その部位を物理的な刺激から守る
- 細菌やホコリ、花粉などが体内へ侵入するのを防ぐ
- 体温調節をする
- 感覚を補助する(嗅毛など)
上記の4つの役割を踏まえると、髭は顎を守るために生えているように思えますが、それが理由であれば、女性にも男性と同じような髭が生えるはずです。しかし実際は女性には男性のような濃くて太い髭が生えることはほぼありません。
では髭はなぜ生えるのでしょうか。現在では研究により、髭の生える理由が「顎を守るためではない」ことが明らかになっています。その理由を、髭に関する研究文献を元に解説いたします。
女性に対して権威や強さを表す象徴のため
異性へのアピールで体が進化
結論から述べますと、髭の生える最も有力な理由は、「女性に対して権威や強さを表すため」です。
例えばクジャクの羽やライオンのたてがみなどは、成熟したオスがメスに対して「自分は他のオスよりも権威があり、強いオスである」とアピールするために進化したもので、このアピールにより子孫を多く残すことができ、ひいては種族の繁栄へと繋がっていきます。
このような「異性へアピールするために体が進化すること」を「性淘汰」と呼びますが、人間の男性に生える髭も性淘汰であるという説が現在、有力視されています。
イギリスの自然科学者が提唱
「性淘汰」は100年以上も前の1871年に、イギリスの自然科学者・ダーウィン(進化論で有名)によって提唱されました。髭の生え方に深く関連しているのは男性ホルモンであるということも、髭の存在理由が「異性へのアピール」であり、「生殖・繁栄のための象徴」であるという強い裏付けです。
サルの研究でも権力の象徴という見解に
2015年、シリル・グロイテル博士(西オーストラリア大学)の率いる研究チームが、科学誌『Evolution and Human Behaviour』に、「霊長類のオスに生える髭の存在理由」に関する論文を発表しました。
この研究では、マントヒヒやオランウータンなど154種類の霊長類の生態を調査。その結果、髭の存在理由に関し、人間を含む霊長類のオスは「集団で過酷な競争に晒されているからこそ髭を生やす」とし、髭は「権力の象徴」であり、「女性を惹きつける装飾」であると結論付けています。
髭の役割はもはやいらない?
髭がなくても困らない
髭は、権力や男としての魅力を異性にアピールするために、存在しているとされています。しかし現代においては、髭がそのような役割を果たしているとは必ずしも言うことはできません。
実際、権力者が髭を生やしているわけでもありませんし、髭のない男性で魅力のある方は大勢います。さらに言うと、髭以外の体毛には重要な役割がありますが、髭には他の体毛ほどの重要さはありません。
他の体毛には役割がある
髭以外の体毛にはそれぞれ重要な役割があります。以下それぞれ見ていきましょう。
髪の毛の役割
まずは髪の毛の役割を見てみましょう。髪の毛の役割は主に下記です。
- 体温を調整する
- 衝撃から脳を守る
- 紫外線から頭を守る
- 有害なものを外に排泄する
- 危険を察知する
- 見た目を左右する
ひとつずつ解説します。
①体温を調節する
髪の毛をはじめとする多くの体毛は体温を調整する役割を担っています。人間は温度差に弱い生物ですので、急激な気温の変化は健康に影響を及ぼします。それを防ぐのが髪の毛の役割のひとつです。
②衝撃から脳を守る
髪の毛は脳を衝撃から守ってくれます、仕組みとしては髪の毛の中の芯(メデュラ)に空気が含まれており、言うならばエアバッグの働きをしてくれます。
③紫外線から頭を守る
紫外線を浴びることは皮膚にとって大きな負担です。紫外線によるダメージはシミやそばかす、最悪の場合、皮膚ガンの原因となります。髪の毛が日傘の役割をすることで紫外線によるダメージを軽減してくれます。
④有害なものを外に排泄する
髪の毛は定期的に抜けていきます。このときに体に溜まった毒素を排泄してくれています。
⑤危険を察知する
髪の毛には神経は通っていませんが、そのすぐ下にある頭皮には無数の神経が通っています。髪の毛が異物に触れることでその振動が頭皮の神経に伝わり、危険を察知することができます。
⑥見た目を左右する
人の第一印象は出会って数秒で決まると言われていますが、髪の毛はその第一印象を大きく左右します。寝癖でぼさぼさの髪型を見ると、多くの人は「不潔」「だらしない」という印象を抱くでしょう。こういった意味で、髪の毛は見た目を大きく左右します。
まつ毛や鼻毛の役割
次にまつ毛や鼻毛の役割です。まつ毛や鼻毛は主に、異物の侵入を防ぐという役割があります。また鼻毛は鼻の穴の中の湿度や温度を一定に保つ役割も果たしており、これにより鼻の粘膜は守られ、鼻の穴が乾燥するのも防いでいます。
髭が生えていると女性にモテる?
実際髭が生えていると女性にモテるのでしょうか。Twitterでリサーチしてみました。
このようにまさに賛否両論ですが、このことは「髭が生えているから必ずしも女性にモテるわけではない」ということの証明でもあります。
全体的にはネガティブな印象
Twitter上では賛否両論とは言え、現在の日本では髭に対しては全体的にはネガティブな印象があるようです。その要因としては下記が挙げられます。
- 清潔感のなさ
- 肌触りの悪さ
ひとつずつ解説します。
①清潔感のなさ
現在の日本において、社会人の多くは髭を生やしていません。それは髭がその人物の人間性を判断する指標のひとつとなっているからです。髭を伸ばしているだけで不潔だ、だらしないと判断されかねません。例えば就職活動で面接のときに髭を伸ばしていかないのはその分かりやすいケースでしょう。
②肌触りの悪さ
女性が髭に対してネガティブな印象を持つ要因の大きなひとつとして、「肌触りの悪さ」が挙げられます。これは2015年のマイナビウーマンの調査でおよそ80%の女性が男性の髭が嫌いだと回答したことにも表れています。
髭男子がブーム終焉?
先ほどのマイナビウーマンの調査でも明らかですが、いわゆる「髭男子」のブームはいよいよ終焉を迎えているようです。髭が生えていると清潔感がない、肌触りが悪いなど、その理由はさまざまですが、理由がさまざま存在するということ自体が、「髭男子の需要がかなり減っている」ということの裏返しでもあります。
男性は髭以外にも生える毛が多いのはなぜ?
実は男性には髭以外にも「男性特有の体毛」があり、生える毛は女性よりも多いのです。これは生物学上明らかになっており、以下、体毛について詳しく解説していきます。
体毛には2種類ある
まず人間の体毛には2種類あります。それは下記です。
- 性毛
- 無性毛
それぞれ解説していきましょう。
1.性毛
性毛とは、思春期以降に生える毛のことで、ホルモンの影響を受けやすい傾向にあります。性毛は例えば、髭や胸毛が挙げられ、これらは男性ホルモンの影響を受け、思春期に一気に伸び始めます。
2.無性毛
一方無性毛はホルモンの影響をあまり受けない体毛のことで、例えば、眉毛やまつ毛、鼻毛などが挙げられます。
男性毛と両性毛
ホルモンの影響を受けやすい性毛はさらに「男性毛」と「両性毛」に分類されます。
男性毛
男性毛は男性のみに生える体毛のことを指し、髭や胸毛などがこれに当たります。
両性毛
両性毛は男女両方に生える性毛のことを指し、脇毛や鼻毛などがこれに当たります。
体毛比較
体毛は性毛と無性毛に分類されること、また性毛の中でも男性毛と両性毛の2種類があることを説明いたしました。ここでどの部位の体毛が何に分類されるかを表にまとめてみます。
部位 | 体毛の区分 |
---|---|
髭 | 男性毛 |
胸毛 | 男性毛 |
陰毛上部 | 男性毛 |
背毛 | 男性毛 |
前頭部・頭頂部の頭髪 | 男性毛 |
前頭部・頭頂部以外の頭髪 | 無性毛 |
眉毛 | 無性毛 |
腕毛・足毛 | 無性毛 |
脇毛 | 両性毛 |
陰毛 | 両性毛 |
耳毛 | 両性毛 |
鼻毛 | 両性毛 |
このように見ると、男性は、髭や胸毛、背毛など、男性にしか生えない「男性毛」が生えるため、女性よりも体毛が多いことが分かります。
日本では髭を生やすメリットは少ない
現在の日本において、髭を生やすメリットは少なくなってきています。下記、髭を伸ばすことで生じるデメリットを挙げてみました。
- 女性に特別モテない
- 就職で不利になる
- 顔が老けたように見える
- 髭の手入れが面倒
- 清潔感がなくなるリスク
ではひとつずつ見ていきましょう。
女性に特別モテない
髭はそもそも「異性に向けてアピールする」ために性淘汰され存在してきましたが、現在は髭が生えていると、女性から特別モテるということもなく、もっと言うと、さまざまな調査で、「多くの女性は髭を好ましく思っていない」ということが明らかになっています。
就職で不利になる
現在の日本で、社会人の多くが髭を生やしていないのは、髭がその人物の人間性を判断する指標のひとつとなっているから。就職活動で面接のときに髭を伸ばしていかないのはその分かりやすいケースでしょう。髭が生えているだけで、自己管理のできない人というレッテルを貼られてしまう可能性もあり、就職では不利になります。
顔が老けたように見える
髭、特に口元や頬に生えた髭は、顔を老けさせて見せます。良く言うと貫禄が出るといった表現になるのでしょうが、髭は似合う人を選びます。うまくデザインし、長さや形を維持しないと不潔な印象まで与えてしまいます。
髭の手入れが面倒
髭のお手入れには手間と時間がかかります。周りにだらしない印象や不快感を与えずに、おしゃれに髭を整え、されにそれを維持しようと思うと、毎朝そのための時間が必要になるばかりでなく、髭トリマーや電気シェーバー、髭用のカットハサミなど専用の道具も必要になってきます。
清潔感がなくなるリスク
女性が髭を嫌う理由の多くは「不潔に見える」「不衛生なイメージがある」「肌触りが悪く触りたいと思わない」など、髭に清潔感をあまり感じないことに由来しています。
手入れしていても、それが雑であれば周りにだらしない印象を与えることになり、「手入れしている / していない」の境目も曖昧で、髭は清潔感を損なうリスクを常に孕んでいます。
不必要な髭を脱毛して清潔な男性になろう!
髭は現在の日本において、女性からの印象が良いわけでもなく、仕事や就職でも不利になる場合があり、デメリットの方が多いのが実情です。本人がどうしても髭を生やしたいとこだわるケース以外はほぼ必要がないといっても過言ではありません。
髭はプロの手で脱毛してもらった方が清潔感はUPしますし、自己処理も楽でしょう。ツルツルの状態に抵抗のある方でも、今では自分の理想の薄さに減毛することも可能です。自分に合った脱毛を検討してみてはいかがでしょうか。